もはん小話:狩猟の1 プロローグ~ココット村~

 …最初は憎らしさと嫉妬、それに大きな憧れだったり…。

 伝説のハンターが作った村と呼ばれるココット村でもちょっと珍しいクロオビ装備なんか着ちゃってさ、どこからかフラフラ~って現れたと思ったら行く先々に現れてはメルが依頼を受けてたランポスやドスランポスを簡単に狩っていっちゃうし。
 あの時だってそう、村中のハンター総出のクック騒ぎの時だってメルはちゃんと一人で狩れたんだよ。ちょっとこんがり肉とか回復薬とか切らして…血が止まんなくて、そう少しだけ休んでただけ。鬱蒼とした森の小道を抜けた先でクックの咆哮を聞いた時はちょっとだけ涙出ちゃったけど。
 突然にメルとクックの間に割り込んで来たと思ったら数発の麻痺弾で動きを止めると矢継ぎ早にたくさん貫通弾を打ち込んであのクックを事もなく狩ってたっけ。

 村に滞在してた数ヶ月、村でも森でも沼でも砂漠でもヒトの顔見ればさ~。
 「大事なのは攻撃する前より攻撃した後なんだけど」とか
 「攻撃と言うかただ振り回してるだけだね」とか
 「弾かれてるのは手元が狂ってるから」とか。
 たしかに今思えば未熟な上に無謀、雑な立ち振る舞いだったかもしれないけどさ。

 そう、旅立ちを決めた忘れもしないあの日、あの瞬間。
 「辺境のこの村で終わるだけのハンターなら貴方のそれでも大丈夫。装備が守ってくれるから。」
 なんて言い残して去ったハンターを追いかけてメルのモンスターハンターとしての旅は始まりました。