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【グラール太陽系守護日誌−機動警護部所属メル=フェイン(正式採用)】
 なんだかんだと揺れ動いたガーディアン雇用試験、延長された期間も終わり、今日でいちおーの進退を決める約束の日です。試験と言っても決めるのは本人の意思、めるはコロニーの本部に向かうとライセンス更新を早々に終え、何気なくしばらく本部に残って人の流れを見ていました。残ると決めたガーディアン達がライセンスの更新を行っていきます。しかし、その列を避けるようにして去って行く人達もちらほらと見えました。ガーディアンの仕事、これに単純に飽きちゃった人、元より楽しくなかった人、本部の運営に納得できず去っていった人、心中は様々、だけど、めるにはその表情から何も読み取る事が出来ませんでした。去っていく人達の中には一緒にミッションをこなした仲間の顔もありました。出来る事ならば無理言って引き止めたくもあったんですが、こればかりは本人が決めた事で、去っていく人を引き止めるだけの魅力的な何かを探して見てもガーディアンにも、そしてめる自身にも、何も見つからず、目と目だけで会釈をして、そしてお別れしました。
 そんな日でもミッションはきちんと依頼されてきます。いつもと少しだけ顔ぶれが欠けているカフェを早々に離れるといくつかのミッションをこなしました。今日のノルマを終え部屋に戻ると出掛ける前には無かったラッピーの置物が置いてありました。いつものねこぶたのテロでは無さそうです。
 誰が置いて行ったか…足跡を見なくても分かる…たぶん…ね。彼女の最後の合成品であろう一品はどちらかと言うとサボりがちだった彼女のガーディアンとしての報酬をほとんどつぎ込んだんじゃないかな…。しばらくその場でじっと置物を眺めていました。ラッピーの横ではちょうちょがひらひらと音も無く舞っています。離れていった彼女のかわりにずっとその場を離れず、ずっとずっと…。そのうちまたひょっこり顔を出してくれるかも知れません。ラッピーの置物はめる的にはほんとにブサイクなんですがその時までこの置物は飾っておこうと思いました。いつか「こんなぶさいくなのいらないよ」って返す日を想って…これがグラールに残るめるの精一杯の気持ち。…またね。


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