タイトルは未定。

けろ的にネタ切れな昨今(真司殿は好調っぽい)過去ファイル整理してたら精神的に辛かった時期あたりの小話が出てきた。三点リーダのお作法は二個らしいんだけど一個しかなかった(いや〜個人的にはどうでもいいと思うんだけどw)ので追加!そして晒しておくのだ!リル蕩れ!!

過去の負債シリーズ最終回
[タイトルは未定というお話]

「いらっしゃい、そしてはじめまして……メル」
 どこでもないどこか、実体の無い意識だけが中空に浮かぶ。そんな感じ。
「……貴方はだあれ?」
 何処か自分に似ている気がする。反面まったく似ていない気もする。違和感は手招きする少女の纏う巫女装束や六葉の長い耳だけではない。その塞がれ縫い合わされた両の眸。痛々しくもあり、だけどどこか神々しくもある……そう感じさせずにはいられなかった。
「私はリル、リル=フェイン。ごほん……うふふ……私は貴方のおねーさん!……うふふ……嬉し、実は私これが言いたかったんです」
 神々しい微笑は突如、無邪気な笑顔へ。ノイズが走ったように意識が混濁する。夢?現実?差し伸べるリルの腕にそっと手を伸ばすメル。
「これは貴方と私の夢。実際の貴方は遠く離れた場所で体を休めてるはず。だけどこれは真実。貴方が求めてそして私も求めたから。貴方と私にちょっとだけ”星”が力を貸してくれました」
 いつのまにかリルと二人並んで座っているメル。見上げれば満天の星空。この状況を理解する事は出来なかったが信じる事は出来た。
「……なんだか良く解らないけど新しいお姉ちゃん。はじめまして。よろしくね」
 メルはこれまでの人生を語った。起こった出来事やそれに出会ったたくさんの人々、ナルやイル、一番に大事な人、それに別れていった人々の事も。リルは心から嬉しそうに彼女にとっては最初で最後のたった一人の妹の言葉に耳を傾けた。世俗とは切り離されたリルには理解出来ない事もあったがそれでもにこやかに、時には自分の事や質問も交えながら。メルはどこかリルに母性を感じるのかまるで母にじゃれる幼子のように全てを語った。
「……まるで夢物語のよう」
 リルもまるで自分の事のように瞳を輝かせる…瞳は塞がれていたがそのように見えた。リルが星の巫女としてどのようにして生きてきたかメルには解らない。だけどその姿、塞がれた双眸を見てメルは口篭もる。
「……大丈夫。そんなに辛い人生ではないのですよ。こうして貴方にも逢えた事ですし、ね?メル?」
 訪れた静寂で全てを察したリルはメルの頭を撫でた。
「それよりもメル?なにか悩みがあるのでは?こうしてここに繋がったのは何か誰かに聴いて貰いたかった……とかじゃありませんか?」
 メルは一瞬の戸惑いの後コクンと頷いた。
「話してくれますか?それも……たぶん、いいえ……本当に何も出来ませんけど」
 それでも話すだけでもきっと楽になりますからとリルは優しくメルを促した。
「……メルは怖いの……元々そうだったのかもだけど、このままだときっと周りから誰も居なくなってしまいそうで……怖い」
「居なくなる……ですか?皆さん優しくて良くしてくれると言ってましたのに突然そんな……」
「ん〜ん周りは誰も何も変わってないの。メルが変わってくの。悪いほうへ。メルは虚栄心と嫉妬心の塊のくせにそうじゃないふりして嘘ばかりついてしてきたから。誰も信じてくれない……じゃなくて、ほんとは誰も信じていなかったから。メルの言葉はもう誰にも聞き入れて貰えないそんな気がする……きっともう皆メルの事が嫌いだよ。もうね、どうしていいかわからない」
 メルは大粒の涙を一つ。瞬きする度にもう一つ、二つ、三つ。ポロポロポロと零れ落ちる。
「あの、ズバリ言うわよ?ってどこかの占い師も言ってましたけどズバリ言いますね。それは自意識過剰……ってのはちょっと言い過ぎかしら。だけどメルが思ってる程貴方の事なんて誰も考えてないってのが本当だと思いますよ。好きとか嫌いとか。そこに居れば居るんだし、居なければ居ないで特に問題は無い……そんな感じですか」
「それが嫌なの。好きでも嫌いでもそう言って欲しいの。なにも言わないのが嫌なの。メルはそれが嫌なの」
 上目使いにリルを見るメル。大粒の涙を零しながら。
「嫌……だけど私達のように貴方の姉ならいざ知らず、周りの人にはメルにそこまで責任を持つ義務なんてないのですからね。それに自分を取り巻く環境は自らを映す鏡と同じ、自分がしてきた事を映す鏡なのだから、結果がどうなるにしろそれは自分の責任なのですよ……それは辛い事なのかも知れないけど。」
 リルはメルを咎める訳でもなく慰める訳でもなく、だけどただ微笑だけは絶やさなかった。グイと涙を拭うメル。
「ぶぅ〜見た目優しそうなのに……案外優しくないんだ、リルねぇは」
「そうですか?私は凄くメルの事愛してますよ。ええ!凄く大事ですわ」
 リルのその言葉に偽りは無かった。彼女の唯一の我侭がメル自身である事をメルは知らない。
「ただ……ひとつだけ。例えば、周りが全てメルの事を嫌いになってもメルはメル、貴方自身を嫌いにならないで。どんなに辛くても貴方自身を責めずに好きでいてくださいね。光の差す方を向いてないと暗闇に呑まれてしまいます、そうなると前に進めないままですから。」
「ごめんなさい、あともうひとつ。私達はどんな事が在っても可愛い末妹、貴方の味方です……それだけは忘れないでくださいな。」
 頬を染めるメル。待ち望んで止まなかった自分に向けられるまっすぐな言葉がこれほどに心地良いとは。
「リルねぇ。えっと星の巫女さまだっけ?ぬふふ、それってもしかして噂の”御神託”?」
 メルはおどけて舌を出す。きょろきょろと周囲を伺うリル。その姿を見てメルは思う、リルの塞がれた双眸はほんとは見えてるんじゃないかと。
「……星の”御神託”はいつも余り良い事は伝えてきませんの。無理難題や辛い事ばかり、きっと私が貴方に伝える事はないはずです。今日のこのお話は私の想い、私の気持ち。だから貴方に伝えたの。うふふ」

このエントリへのコメント

設定を良く知らないので何とも言えませんが、こう短編で話を書けるのは良いですな(・▽・) 自分だと文才ないですし、それ以前に話すら思いつきませんw

2010年04月17日:土曜日 | 寿々呂

遠い過去のお話でして…
ほんと何がなんだか分からないモノを読んでもらってありがとうございます。
まあ正直書いてる(書いてた)自分も何とも言えないのが何とも(笑)
オンラインゲームでやってるゲームが変われば関係が薄れていって寂しい
そんな「一期一会」的な気持ちが表せてるといいんですが〜

2010年04月18日:日曜日 | けろ

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